Oral and systemic diseases
Oral and systemic diseases
お口と全身の疾患
お口の中の健康は身体全体の健康に関わっています。
最近の研究では歯周病が歯だけでなく、動脈硬化や心臓病、糖尿病などの生活習慣病にも影響があることがわかっています。歯周病はお口の中に汚れが溜まることで歯ぐきや歯を支える骨などに炎症が起き、細菌が増えることで、歯がぐらついたり、放っておくと歯が抜けるなどの症状があります。
また、歯周病の細菌が増え、細菌がお口から全身に入り込むと炎症を起こし心臓病や動脈硬化などの病気を引き起こします。
歯周病で歯を失い、咬み合わせが悪くなったり、噛む力が低下するとその他の病気のリスクも高まります。
噛む力が低下し唾液の分泌量が減ることでお口が乾燥し、それによってお口の中で細菌が増え、歯周病を悪化させてしまう口腔乾燥症という病気もあります。
歯周病はお口の中だけでなく、細菌が体内に入り込むことで病気を引き起こしたり、歯周病による歯の本数の減少によっても病気を引き起こすため、お口の中の健康を保つということは身体全体の健康を保つことにつながります。
歯を失う原因の1位が歯周病です。
歯周病とは歯磨きが不十分で、お口の中が不衛生な状態が続くと歯と歯ぐきの溝にプラークと呼ばれる歯垢が溜まります。
歯垢はやがて歯石となり、歯と歯ぐきの溝を広げていきます。そこに細菌が増えることで炎症を起こし、歯ぐきや歯を支える骨などの組織を壊します。それによって歯のぐらつきが起こり、症状が進行すると歯が抜け落ちてしまいます。
日本の成人の8割以上が歯周病にかかっていると言われており、特に50歳代以降では、歯周病が悪化して歯を失うことが多くなっています。
歯周病の細菌がお口から身体に入ることで様々な病気を引き起こすことがわかっています。
歯周病になると、歯周病の細菌が血液中に入り、心臓に感染すると炎症を起こし、心臓の内膜や弁膜に障害が起こります。炎症部分が動脈硬化を引き起こすことで狭心症や心筋梗塞も引き起こします。
動脈硬化により、脳の血管が詰まってしまうと脳梗塞を引き起こします。歯周病の人はそうでない人の2.8倍も脳梗塞になりやすいと言われています。
心臓は全身に血液を送る重要な役割をしているため、心臓で増えた細菌が全身に運ばれることで心臓以外でも病気を引き起こす原因になります。
歯周病は糖尿病を悪化させることがわかっています。
歯周病の細菌は血糖値を正常に戻すインスリンという物質の活動を阻害します。
それによって血糖値が高い状態が続くことで糖尿病を引き起こしたり、悪化させてしまいます。
歯周病の細菌が体内に入り作用することで、認知症の原因物質が脳に蓄積し脳細胞を壊すことで脳の機能が低下し認知症を引き起こすことがわかっています。
加齢などにより物を飲み込む機能が低下すると、食べ物や唾液があやまって気管へ入ることが増えます。この時お口の中の細菌が肺に入り込み、肺が炎症を起こすことを誤嚥性肺炎といいます。
高齢になると噛む力の低下などが原因で唾液の分泌量が減るため、お口の中が乾燥しやすくなります。唾液はお口を清潔に保つ役割をしているため、唾液の分泌が減るとむし歯や歯周病の悪化につながります。
歯周病は軽度の段階であれば、ブラッシング指導や歯のクリーニングを重ねることで、症状を大きく改善することが可能です。症状が進行し重度の段階になると基本的な治療では治すことは難しく、外科的な治療が必要になります。そうならないためには歯周病を早期に発見し治療することがとても重要になります。
定期的に歯医者にかかり、お口の状態をチェックし、早期発見・早期治療を心掛けましょう。
あさぶハート・デンタルクリニックは、むし歯や歯周病の治療をはじめ、それによって引き起こされる全身の問題を併設している内科・循環器内科・消化器内科・栄養管理室・心臓リハビリテーション部門と密に連携をとり、患者さん一人一人の全身状態や基礎疾患に応じたオーラルマネジメントを行うことができます。
お口の中に気になる症状がある場合は我慢をせず、お早めにご相談ください。